【今週の眼】三品和広 神戸大学大学院教授
みしな・かずひろ●1959年生まれ、愛知県出身。一橋大学商学部卒業。同大学大学院商学研究科修士課程修了。米ハーバード大学文理大学院博士課程修了。同大学ビジネススクール助教授、北陸先端科学技術大学院大学助教授などを経て現職。著書は『戦略不全の論理』など多数。(撮影:梅谷秀司)

イノベーションと一口に言うが、技術革新と再発明は分けて考えたほうがよい。青色LEDのような技術革新は確かにすばらしいが、投資がかさむうえ、めったに起こるものではない。近年の主流は、再発明のほうなのである。以下では、この論点を掘り下げてみたい。

スティーブ・ジョブズが初めてiPhoneを紹介したとき、彼は携帯電話の「再発明」とうたっていた。実際にiPhoneは初代からハードウエアキーボードを排除して、その面積をディスプレーに割り当てており、先行するブラックベリーや日本のケータイとは一線を画していた。

iPodも同じである。この製品はウォークマンと同様に携帯音楽プレーヤーと呼ばれたが、10曲程度ではなく、1000曲を持ち運ぶデバイスとしてデビューした。そしてランダム再生やプレーリストという目新しい機能が人々を引き付けた。