イラスト:北沢バンビ

2015年に基礎控除が大幅に縮小されたことで、相続税の課税対象は中流層にまで広がった。人間関係にも配慮しなければならない相続では、税対策だけ考えていてもいけないが、おろそかにすることはできない。税対策もしっかり学んだうえで臨みたいものだ。

大まかにいうと相続税額は、相続財産の評価額から控除額を引いた額に税率を掛けて計算する。控除額を引いた後の額が大きくなればなるほど、税率は段階的に高くなり納税負担が増す。そのため相続税対策の基本は、①相続財産の評価額を下げる、②相続財産そのものを減らす、③非課税枠や税額控除を活用する──の3点となる。

「相続する財産で最も高額になるものは」と問われた際、多くの人は土地を思い浮かべるのではないか。実際、国税庁の調べでは相続財産(金額ベース、控除前)の約4割を土地・家屋が占める。土地の評価額をどう下げるかで、相続税額が決まってくるといっても過言ではないのだ。

土地の評価額を下げることのできる制度のうち、減額率が特に大きいのは「小規模宅地等の特例」だろう。亡くなった人が自宅などの敷地に使っていた土地を相続する際、一定の条件を満たしたうえで相続税の申告をしていれば、土地の評価額を大きく下げられる。

特例の適用を受けるためには、原則として相続税の申告期限(相続開始日から10カ月以内)までに遺産分割が成立していないといけない。故人が住んでいた自宅用の土地(特定居住用宅地)の場合、330平方メートル(約100坪)までが路線価などから80%減額できる。相続する人が配偶者であれば無条件で、同居していた親族であるなら申告期限までそのまま住み所有し続ければ、適用が認められる。