今年7月、金融庁は「平成29事務年度 地域銀行モニタリング結果とりまとめ」と題したペーパーを公表した。地銀に経営の効率化などを強く迫る内容で、業界関係者を震え上がらせている。

このペーパーはあくまで地銀に対するもので、信用金庫や信用組合にはいっさい言及していない。にもかかわらず「信金・信組も経営合理化を迫られ、再編が促されるのではないか」と見る向きが絶えない。

だが実際は、地銀と信金・信組では、行政監督上の扱いがかなり異なる。金融行政の分類では地銀と同じ「地域金融機関」として扱われる信金・信組だが、地銀が営利追求を目的とする株式会社であるのに対し、信金・信組は非営利で、出資者間の相互扶助を目的とした協同組織だ。そのため信金・信組は営業エリアが限定される。

地銀は金融庁監督局の銀行第二課が直接監督しているが、信金・信組を監督するのは地域の実情に通じた全国各地の財務局で、銀行第二課内の協同組織金融室がそれを統括している。

株式会社の銀行の資本金に当たる出資金の出し手を、信金は「会員」と呼ぶ。会員は法人・個人とも営業エリア内に住所があることが必須条件で、出資金の規模にも制限がある。信金の融資は原則的に会員が対象で、会員以外は総額の2割までという規制がある。