食べられるのに食品が廃棄される「食品ロス」は、先進国に共通する社会的課題だ。企業にとってはムダな生産・流通活動をしていることになる。この問題に詳しい流通経済研究所の石川友博主任研究員に聞いた。

いしかわ・ともひろ●1972年生まれ。慶大経卒。旧パナソニック電工(現パナソニック)などを経て(公財)流通経済研究所に。消費財メーカー、卸売業の営業や流通効率化などの調査研究に従事。

──食品ロスの現況について教えてください。

農林水産省によると、2015年度の食品ロスは約646万トンで、前年度より25万トン増えた。食品ロスの約半分は生産や流通の段階で、残りは家庭から出ている。生産や流通の段階での廃棄は、規格外、返品、売れ残りなどが主な理由だ。その削減には、農業生産者や食品メーカー、卸、小売りなどあらゆる業者の協力が不可欠だ。

食品ロスはその定義が一様でなく単純な比較が難しいが、1人当たりの発生量は日本が133キログラム、欧米では130キログラムから200キログラムの国が多い。国際的に見て、日本は特段多いわけではないが、より少ないのが望ましい。