平成という時代が終わろうとしている。この30年に及ぶ時代は、後世にどのように評価されるのだろうか。

一つは、象徴天皇制が真に根付いた時代というものであろう。憲法には天皇の国事行為が列挙されているが、象徴天皇制が具体的にいかなるものであるかは、必ずしも判然とはしなかった。

今上陛下は皇后陛下と二人三脚で、象徴天皇制のあり方を懸命に模索されてきたように思われる。先の大戦に対する深い反省、真摯に平和を希求する意思、諸外国との友好強化にかけられた思い、社会的弱者に対する温かいまなざしなど、日本国憲法をまさに体現し、日本国と日本国民を象徴する役割を、これ以上は望むべくもないほど立派に果たされてきた。

他方、経済的にはたいへん問題のある30年だった。平成元年(1989年)の世界のトップ企業20社を時価総額順に並べてみると、トップは日本のNTTでなんと14社が日本の企業で占められていた。まさに「ジャパン・アズ・ナンバーワン」の時代であった。

では、現在(平成30年、2018年)はどうか。世界のトップ企業20社に入っている日本企業は皆無で、トップのトヨタ自動車がやっと35位という体たらくである。経済の実態をより正確に表す購買力平価ベースでわが国のGDP(国内総生産)シェアを見ると、ピーク時の9%弱から4%強へとこの30年間でほぼ半減している。世界の有名観光地から日本語の表示が消えたのも「むべなるかな」である。