9月上旬の週末、東京・昭島市のモリパークアウトドアヴィレッジ。関東近郊からも買い物客が集まるアウトドアブランド専門のショッピングモールだが、中でも一番人気は「ザ・ノース・フェイス」(以下ノース)の大型直営店だ。店内には本格的な登山用品からランニング、カジュアル衣料や各種バッグなど幅広い商品が展示され、多くのカップルや家族連れでにぎわっていた。

ノースは、1960年代に米国西海岸で誕生した世界的に有名な本格派のアウトドアブランド。日本では総合スポーツ用品メーカーのゴールドウインが事業の権利を持ち、商品の企画から製造・販売まで手掛ける。近年、その売上高は右肩上がりで伸び、「今年度に入っても前年比2ケタ増の勢いが続いている」(ノースフェイス事業部長の森光(ひかり)氏)。

ノースが業績を牽引 日常使いでも人気に

ノース事業が強力なエンジンとなって、ゴールドウインの業績は絶好調だ。前2017年度の営業利益は71億円と前の年度より8割増え、スキーやテニスブームに沸いた91年度以来、実に26年ぶりに最高益を更新した。今年度も出足の4~6月期は大幅な増収増益を記録、年間でも連続最高益を見込んでいる。

国内で数年前に盛り上がった登山ブームはすでに沈静化。にもかかわらず、ノース事業の快走が続くのは、普段使い用で人気に火がついたからだ。20~40代を中心として、アウトドアブランドの衣料を街着にしたり、リュックを通勤通学で使うといったスタイルが浸透。特にノースは、そうした用途でも男性からの人気が高い。

たとえば、ノースの男性用ズボンで定番の「アルパインライトパンツ」。脚を上げ下げしやすいようストレッチを効かせた登山用の化繊ズボンだが、はいていて楽なうえ、乾きやすく、細身の立体裁断で脚のシルエットがきれいに見えるため、街着目的で買い求める男性が多い。冬にはボリューム感のあるダウンジャケットが街着として人気を集め、昨年度は厳冬もあって、主力商品がシーズン途中に早々と売り切れた。