都内シェアハウスは工事中のまま放棄され、キーボックスには鍵が入った状態とみられる

「正確な偽装行為の件数を数えるのは不可能」。9月7日に公表された第三者委員会の報告書が明らかにしたスルガ銀行の不正融資の実態には目を覆うばかりだ。

女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」の問題が一向に収まる気配を見せない。運営元のスマートデイズは5月に破産手続き開始が決定したが、被害に遭ったオーナーは700人以上。融資の大半を行ったスルガ銀行では、創業家の岡野光喜会長以下役員5人が辞任する事態にまで発展した。こうした騒動の陰で、別の問題が火を噴いている。

われわれも被害者だ

「スマートデイズがどんな会社か知らなかった。われわれも被害者だ」と、千葉県を地盤に住宅建設を専門とする会社の社長は嘆く。スマートデイズはシェアハウスの建設を外注していた。判明しているかぎりでは、この会社のように33社が工事を請け負っていた。

一見、建設会社にとってシェアハウスは魅力的な案件だった。「すべてスマートデイズがお膳立てしてくれる。こんな楽な仕事はなかった」(同)。住宅建設の場合、顧客への営業から土地の取得、建物の設計、法令に適合しているかの確認まで、業務は多岐に及ぶ。ところが、スマートデイズはこれらを丸ごと肩代わりし、建設会社は唯々諾々と工事をするだけでよかった。この千葉県の会社の場合、スマートデイズから一方的に建設請負の金額を提示され、自社での詳細な工事の見積もりすら省いていたという。

シェアハウスを建設した会社の多くは注文住宅を生業(なりわい)とし、決して建売住宅が本業だったわけではない。だが「待っているだけで仕事が舞い込むので、拒む理由がなかった。都内に営業を拡大できるうえ、シェアハウスは今後も伸びる事業だと思った」(神奈川県地盤の建設会社の社長)。それまで地元で細々と注文住宅を手掛けていた会社が、次々と甘い「かぼちゃ」に飛びついていった。

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