週刊東洋経済 2018年9/22号
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高騰続くマンション  失敗しない選び方

「結婚したので、将来のことを考えてマンションの購入を検討しているんですけど、高すぎるんですよね……」

東京都内に勤務する20代の会社員はこうぼやく。

7059万円──。これは今年1~6月における東京23区の新築マンション平均価格(不動産経済研究所調べ)だ。近年は高騰し、2012年比で3割以上も高くなっている。東京都下(23区外)や近隣の神奈川、千葉、埼玉も上昇傾向にあり、首都圏平均で5962万円に上る。新築マンションの価格上昇につられて、中古物件の相場も上がっており、購入を躊躇するのは当然だ。

価格高騰の背景にあるのは、東京五輪の開催や外国人観光客の増加などに端を発した、オフィスビルやホテルなどの建設ラッシュだ。地価の上昇や建築費の高止まりによって、マンション開発業者は販売価格を高く設定せざるをえない。

一方で需要もあるから、相場は崩れない。東京を中心とする首都圏への人口集中が進んでおり、住宅の取得需要が大きい。その中でも都心の高額なマンションを購入しているのは、富裕層や「パワーカップル」と呼ばれる世帯収入の多い共働き世帯だ。利便性を重視して職場の近くに住む「職場近住」志向が強まっているほか、いざとなれば売却できるように資産性を重視することから、都心のマンションを好む。

超低金利で住宅ローンを組みやすいのも大きい。フルタイムの共働き世帯であれば、夫婦それぞれでローンを組むことで借入額を大きくでき、夫婦ともそれぞれが住宅ローン控除の対象になることも購入の追い風になっている。

こうした状況の中で、気になるのは今後の価格動向だが、「エリアにもよるが、当面は下がらない」と言う不動産関係者が多い。

理由はメジャーセブンといわれる大手マンションデベロッパー7社(住友不動産、大京、東急不動産、東京建物、野村不動産、三井不動産レジデンシャル、三菱地所レジデンス)のシェアが高まっていることだ。首都圏のマンション供給戸数に占めるメジャーセブンの割合は07年に24%だったが、17年は46%になった。大手は財務内容が良好のため、値下げしてまで売り急ぐ必要がないとみられている。

とはいえ、長い目で見ると相場が冷え込む可能性は否定できない。それでも損をしない、つまり資産価値を保てるマンションを選ぶには、どうすればいいのか。

東京湾岸ではタワーマンションの開発が進む(写真は住友不動産が開発中の「シティタワーズ東京ベイ」)(撮影:今井康一)
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