関西圏ではこれまで、高級住宅地として知られる阪急・阪神電気鉄道の沿線エリアや吹田市・豊中市といった北摂エリアが、夫婦世帯やファミリー層などの住まいとして人気だった。

ところが、ここ5年で状況が急激に変化した。大阪市北区に位置する梅田周辺、あるいは中央区・浪速区にまたがる難波周辺。これらはオフィスが集積する「働く場所」、商業施設や飲食店が集まる「繁華街」として、長く地元住民から親しまれてきた。最近、これらのエリアは「住む場所」としての人気が高まっている。

背景には需要の変化がある。若い共働き世帯を中心に、職場に近い都心部で暮らす「職場近住」を志向する傾向が強まっている。

JR鶴橋駅周辺の職場で、夫婦共に働いている30歳代の男性は、4年前に住まいを探す際、妻から物件選びの条件として唯一出されたのが「職場から30分以内」だった。「その条件からすると、北摂や阪急・阪神沿線は選択肢から外れた」(同男性)。この男性はJR京橋駅近くの3LDK中古マンションを購入した。

実際に人気エリアが大阪市中心部に移ってきていることは、東京カンテイが大阪の駅ごとに算出した「築10年中古マンションのリセールバリュー(RV、再販売価格)」でわかる。