すずき・おさむ●1930年生まれ。中大法卒。銀行勤務を経て創業家の娘婿として58年スズキ入社。78年に社長、2000年に会長就任、08〜15年には再び社長を兼務したが、15年から会長専任。(撮影:吉野純治)

小さな車を主力にしてインドやパキスタン、ハンガリーなど海外へも進出していった。

特に大きく飛躍したのはインドだった。インドの自動車市場は小さな車の割合が非常に高く、1000ccクラスが40%を占めているようなところだ。「アルト」や「ワゴンR」など日本の軽自動車をベースに、排気量の少し大きいタイプを投入した。インドの累計生産台数は1994年に100万台、2005年に500万台、18年6月には2000万台と非常に伸びてきた。

70年代、当時のガンジー首相が「国民車構想」を掲げ、事業パートナーを募集していた。所得が少なくても文化的な生活を営むために、1世帯に1台、小さな車を持たせたい、ぜいたく品じゃない車を普及させたいと言っていた。その流れにスズキの車がたまたまピタリと合った。