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太陽光発電の落とし穴 緊急連載 第1回|主力電源化に暗雲

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集中豪雨で設備の損壊事故が続発し、ずさんな開発で住民とのトラブルも相次ぐ。大量導入が進む太陽光発電で何が起きているのか。(本誌:岡田広行)豪雨で太陽光パネル崩落 タイナビ電力「タイナビ姫路発電所」

環境に優しい電源として全国各地で建設が進められてきた太陽光発電の施設が、深刻な社会問題を引き起こしている。

7月5日に西日本を襲った集中豪雨では、兵庫県姫路市内の太陽光発電所2カ所を含む4県9カ所で崩落や水没事故があったと経済産業省に報告されている。

上の写真は、姫路市内に建設された太陽光発電所の損壊の状況を、事故から約10日後にドローンで撮影したものだ。コンクリート造りの擁壁が太陽光パネルもろとも斜面を滑り落ちていることがわかる。発電所の真下には国道が通っている。

所有者である太陽光発電施設販売会社の「タイナビ電力」(東京都品川区)が取材に応じないため詳細はわからないが、専門家は電気ケーブルが事故時のまま10日間も放置されていた事実に着目(現在は撤去済み)。山火事につながる危険性を指摘した。

姫路では、デジタルコンテンツ配信会社で太陽光発電事業も展開するDMM.com(東京都港区)が設置した発電所でも、土砂崩れによる太陽光パネルの崩落事故が起きていた(下写真)。土砂が発電所の敷地外に流れ出し、水路を埋めた(現在は復旧済み)。

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