2008年9月に起きた米国投資銀行リーマン・ブラザーズの経営破綻と世界金融危機から10年。世界経済は、米欧日の中央銀行による大規模な金融緩和策に支えられ、紆余曲折を経ながら、景気拡大を続けてきた。

それもそろそろ最終局面を迎えそうだ。世界経済の牽引役である米国は19年7月に戦後最長の景気拡大に達する。FRB(米国連邦準備制度理事会)の利上げや大型減税効果の剥落、トランプ米大統領の通商政策の悪影響などから、19年後半以降は米国経済の息切れが予想されている。

「1970年代に為替レートが変動相場制に移行してから、世界経済は5回の景気後退局面を経験したが、いずれも米国の利上げで始まった。同時に過去には南米やアジアの通貨危機も起きた。最近のトルコなど新興国の動揺はそれらを想起させる」と、みずほ総合研究所の高田創チーフエコノミストは語る。

起こるべくして起きた米国の中国バッシング

転換期を迎えつつある今、「次の10年」の世界経済の流れを決める動きが顕在化している。ほかでもない、米国による中国たたき=米中覇権争いだ。

米国は、不公正貿易を理由に対中輸入340億ドル相当(7月6日)と160億ドル相当(8月23日)に25%の追加関税を発動。中国がこれらの追加関税に対して報復措置に動いたため、米国はさらに9月ごろ、消費財を一部含む対中輸入2000億ドル相当に25%の追加関税を実施するとみられている。