女性医師に診てもらったほうが男性医師よりも死亡率が低く、再入院率も低い──これは米ハーバード大学での研究で明らかになった事実だ。2016年12月に米国医師会の学会誌に論文が掲載された。

米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)内科学助教授 津川友介
つがわ・ゆうすけ●1980年生まれ。東北大学医学部卒。米ハーバード大学で修士号・博士号取得。聖路加国際病院、世界銀行、ハーバード大学勤務を経て2017年から現職。

内科に緊急入院した患者の30日以内の死亡率と、退院後30日以内に再び入院する割合を米国で調査。30日死亡率も同再入院率も、女性医師のほうが4%低いことがわかった。

この違いは無視できない大きさだ。たとえば、米国では心筋梗塞の死亡率を4%下げるのに10年かかっている。新薬が開発されたり、治療法が発達したりして、ようやく4%下がったのだ。この例でいえば、結果として、女性医師の担当患者は2018年の最新治療を受けているのに、男性医師の患者は10年前の08年の治療を受けているようなものだ。最新の治療が存在しているにもかかわらず、10年前の治療を受けたい患者がどれだけいるだろうか。

女性医師はリスク回避に努める

女性医師は男性医師よりもガイドラインにのっとって治療するし、ほかの専門医師に相談することが、ほかの研究論文で明らかにされている。