つれづれの読書で、「論語読みの論語知らず」という一句に出くわした。若い人は『論語』なんて知らないだろうから、何のことかわかるまい。

読書の貴重な成果を実地に活用できない愚人を意味する。別に書物は『論語』に限るわけではない。よく考えてみると、現代ではなおさらいっそう、含蓄ある格言のような気がしてきた。

まず字面の直訳でも、十分に通用しそうである。『論語』は中国儒教の四書五経の一つ、とりわけ中国学をやりながら、マジメに経書・経学を勉強してこなかった筆者には、ピタリの格言だ。実際、『論語』は文字を読んだだけで、中身の意味を知ろうと思ったこともないから、筆者など「論語読み」ですらないかもしれない。このIT万能の世の中、マジメに読書すべし、というだけでも、十分に意味がある。

しかし筆者自身のことは、どうでもよい。もう少し社会的な事情について考えてみよう。