大学病院と市中病院との間で若手研修医の奪い合いは熾烈だ(イラスト:平戸三平)

地方が衰退し首都圏一極集中が進んでいるといわれるが、本当だろうか。筆者は賛同できない。たとえば7月公開の路線価。対前年比の伸びは、高い順に沖縄(5.0%)、東京(4.0%)、宮城(3.7%)、福岡(2.6%)、京都(2.2%)、広島(1.5%)と続く。千葉、埼玉、神奈川は0.6〜0.7%だ。

東京の上昇率は高いが、首都圏はそうでもない。むしろ、西日本の上昇が目立つ。特に沖縄はすさまじい。それは外国人観光客の増加が原因だ。2017年の観光客は939万人。ハワイを抜いた。

沖縄に限らず、わが国を訪れる外国人旅行者数は増加している。受け入れが多いのは西日本だ。17年の受け入れの多い空港は、成田764万人、関西国際716万人と続くが、注目すべきは対前年比の増加率。福岡35%、那覇20%、関西国際18%、羽田15%、成田12%で、福岡、那覇の増加が目立つ。

医学部の偏在が医師偏在の根因

歴史的に見れば、わが国は平常な状態に戻りつつあるのかもしれない。中国が発展すれば、わが国のウエートは西に移動する。実はこれは、わが国の発展にとって好ましくない。それは、もともと社会的資源・人的資源が西高東低の形で偏在しているからだ。

医師の場合も同様である。都道府県別の人口10万人当たりの医師数は西高東低が顕著で、最多の徳島(316人)は最少の埼玉(160人)の約2倍である。