長時間労働が顕著な医師の職場で、仕事と育児との両立は至難(イラスト:平戸三平)

「私立医大入試の2次試験ならともかく、1次試験まで女性差別されていたとは……。これは詐欺以外の何ものでもない」

東京医科大学の不正入試問題を受け、医大受験時に東京医大を1次試験で落ちたという他医大の現役女子学生はそう憤る。

今回明るみに出た東京医大入試における女性の一律減点問題。その背景には、出産・育児などで離職しがちな女性医師を大学側が敬遠したとの見方がある。日本女性外科医会代表世話人を務める東京女子医科大学の冨澤康子助教は、「本来なら女性が就労を継続できるよう支援すべき。そういう発想がない上層部がマネジメントしているから、入学させなければいいとの考えになる」と非難する。

実際、女性医師の就業率は一般女性と同様、出産・育児のタイミングで一時的に落ち込む「M字カーブ」を描く。厚生労働省の資料によれば、医師になった直後は95%近い女性医師の就業率が、10年目近辺で7割台に落ち込む。

「復帰するにしても、診療所などでのパートの医師がほとんど。それでは医師としてのスキルは伸びにくい」と、育児経験がある大学病院の女性医師は語る。

救急科や外科など、急患が多い診療科では育児との両立は難しく、女性医師の多くが皮膚科や麻酔科、眼科といった急患が少ない診療科に集まるのが実情だ。