東京大学や京都大学などの合格実績だけでなく、医学部への進学実績をアピールする中高一貫校が台頭。保護者の強い医学部志向を受けて志願者を集める一方、悩みもあるようで……。

北嶺[札幌]

700人超のOBが意欲をかき立てる

新千歳空港から約1時間。街灯もなく、夜には真っ暗になる小高い丘のふもとに北嶺中・高校の校舎は建つ。道内随一の進学校・札幌南高校出身の教師らが「本格的な中高一貫校を作りたい」との思いで1986年(高校は89年)に設立した男子校だ。

病院で本物の医師を相手に医療現場を体験している

1学年の定員は120人。うち40人は学校に併設された寮で暮らす。当初は2クラス、1学年60~70人の規模でスタートしたが、優れた合格実績がなかなか出なかった。その後、13期生で東大理科三類に3人が合格したのを境に、じわじわと合格実績が上向き始めた。都会と違って中学入試の経験のない道内の医師や大学教授の間で「子どもを中高一貫校に入れて懸けてみようか」(谷地田穣・校長)という機運も生まれたという。

合格率向上の秘訣の一つは、生徒たちの医学部進学のモチベーションを引き上げる、一種の体験学習だ。ブラックジャックセミナー、Dr.コトーキャンプ、赤ひげツアー……。僻地医療の現場などを体験させ、生徒たちの意欲をかき立てる。これらの場の設定に当たっては、700人を超える豊富なOB医師の協力も欠かせない。