愛知県の東海高は全国一の医学部進学実績を誇る

医学部人気が続いている。そのきっかけとなったのが、2008年から始まった医師不足を解消するための医学部の定員増だ。下図のように、08年比で1626人、20.9%も定員が増えて9419人となった。これに呼応するように、志願者は08年から増え始めている。08年と今年を比べると35.5%増え、14万人を超える志願者数となった。

08年秋のリーマンショック後、大学生の就職難が到来する。受験生に国家資格を得て就職を有利にしたいとの考えが強まり、医療系学部の人気が高まった。中でも理系学部志望の優秀な受験生は医学部を目指すようになった。当然入試は厳しさを増す。どの大学も偏差値60を超える難関ぶりだ。

それが、15年から文系学部卒業生の就職状況が改善し、入試では文系人気が高くなってきた。その影響もあって医学部は、国公立大学は14年をピークに、志願者が減少。私立大学の志願者はその後も増え、根強い人気といえよう。

人気の大きな理由として、医師は収入が安定し社会的ステータスの高いことが挙げられるが、それだけではない。京都大学の山中伸弥教授がノーベル生理学・医学賞を受賞し、受験生の医学の研究分野への関心が高まったこともある。また最近の高校生は、困っている人を助けたいという意識が高く、医学部人気につながっている。

さらに近年の受験生は、地元大学への進学志向が顕著だ。子どもの数が少なく、保護者は子を手元に置いておきたい考えがある。ところが就職となると、文系学部ならば地元でも教員や銀行、公務員などの選択肢があるが、理系学部では地元に就職先があまりないケースも多い。特に優秀な理系の生徒は、就職を考えると医学部を選択したほうが地元に残りやすいことから人気が高いのだ。東京大学や京都大学の理系学部に進学するより、地元国立大の医学部を目指す受験生が多いのもそのためだ。

地域枠新設で人気化 国公立に強い東海高校