ディズニーシーの大規模拡張プロジェクトについて語る上西京一郎オリエンタルランド社長(撮影:尾形文繁)

2022年に開業する東京ディズニーシー(TDS)の大規模拡張プロジェクトを発表したオリエンタルランド。東京ディズニーランド(TDL)とTDSに隣接する駐車場を転用し、4つのアトラクションで構成される新エリアと、最上級の部屋を有するパーク内ホテルを新設する。2500億円の巨額投資に踏み切った狙いは何か。オリエンタルランドの上西京一郎社長に聞いた。

「第3のパーク」の構想はなかった

──TDS拡張プロジェクトの経緯は?

計画が始まったのは2014年。しかし、最終的な計画がまとまるまでには、さまざまな経緯があった。

当時、10年後の東京ディズニーリゾート(TDR)がどうあるべきかという構想を描いた。それは、2014年度の期初計画で年間2800万人だった入園者数を、10年かけて年間3000万人にするというもの。その前提で描いていたTDSの初期の投資計画は、北欧をテーマにした1つの新エリア(テーマランド)をディズニーシーの敷地内に作り、『アナと雪の女王』のアトラクションを新設するというものだった。

しかし、想定を超える多くのゲストの方にお越しいただき、2014年度には年間3137万人と過去最多の入園客数となった。その後も安定して3000万人を超えるゲストに来ていただくことができたため、2016年ごろに当初の計画を見直し今回発表した大規模な拡張計画に変更した。

──TDL、TDSではない新しい「第3のパーク」ができるとの報道もありました。

新しいパークを作るには十分な敷地がなく、そもそも「第3のパーク」という計画はなかった。ただ、ディズニーシーの拡張には大きな投資が必要となるため、単なる拡張ではなく「第3のパーク」を作るくらいの気持ちでいいものを作らなくてはいけないという議論が出ていたのは事実だ。

──TDLではなく、TDSの拡張となった理由は?

拡張用地はTDL、TDSに隣接しているため、どちらのパークを拡張することもできたが、現在TDLより低いTDSのキャパシティを拡張によって同程度にし、魅力を向上させるという結論になった。

2022年以降には、TDLのエリア単位での刷新も予定している。TDSのキャパシティを上げれば、TDLの施設が工事に入った際に補完することができる。TDRの10年、15年先を考えると、いろいろなプランが考えられる。しっかり対策をとっておかないと、多くのゲストの来園したいという希望に応えられなくなってしまう。

当初の計画より開発規模が拡大(上)、アナ雪エリアのイメージ(左下)、高級ホテルも新設(右下)(©Disney)

──「魔法の泉が導くディズニーファンタジーの世界」というコンセプトで、『アナ雪』、『塔の上のラプンツェル』、『ピーターパン』という3つのディズニー映画をテーマとしたアトラクションが導入されます。新エリア、アトラクションを作る際にどのようなポイントを重視しましたか。