“ツイッター中毒”のマスク氏。7月の投稿数は300を超え、トランプ米大統領より多い(撮影:尾形文繁)

「テスラを1株420ドル(約4万6000円)で非公開化することを検討中。資金は確保した」。8月7日、米電気自動車(EV)メーカー・テスラのイーロン・マスクCEOがツイッターに投稿した内容が、物議を醸している。

2010年の米ナスダック上場以来、つねに注目を集めてきたマスク氏はなぜ突然、市場との決別宣言を発したのか。「上場していることで、四半期単位では適切でも、長期的には適切ではない決断を強いられる」「カラ売り筋の多くは、会社を攻撃するのが目的だ」。マスク氏のツイートの直後に公開されたテスラの公式ブログの投稿には、上場維持をめぐる同氏の葛藤が綴られていた。

テスラの雲行きが怪しくなったのは昨秋ごろ。同社初の量産型セダン「モデル3」の生産遅延が報道などで明らかになるたび、株価は急落。株価の下落で利益を得るカラ売りファンドがテスラ株を大量に買い増したこともあり、乱高下を繰り返した。

マスク氏はツイッターを発言ツールとして多用している。今年のエイプリルフールには「テスラは破綻した」というジョークを放ち、株価は急落。一方で「(モデル3の生産台数が)週7000台を達成」(7月1日)など、重要情報の開示に使うこともある。

SNS上の情報開示は、米国証券取引委員会(SEC)が13年から容認している。だが、「情報の正確性をどう担保するか、会社側が投資家のアカウントをブロックした場合はどう情報を得るかなど、具体的なルールは決まっていない」(米国証券法に詳しい早稲田大学の黒沼悦郎教授)。