「バカだったと思います。あのとき、どうしてあんなに優柔不断になってしまったのか。信賞必罰ですよね、普通にやればよかっただけの話なんです……」

30代の若者と話をした。彼は、以前勤務していた会社での出来事を思い起こし、反省していた。

彼の働いていた会社の課長が緊急入院し、2カ月の間、その仕事を引き継ぐことになったという。彼が課長代理になると、かつての同僚で、その期間だけ部下となった女性に遅刻が目立ち始め、そのうちほぼ毎日遅刻するようになってしまった。

とはいえ、ほんの2〜3分の遅刻なので、しゃくし定規に社則どおりの処分をすべきか迷った。それに、彼女の出してくる企画書は非常に斬新で採用されることが多い。会社の中でも一目置かれる存在で、課としても傷つけたくない人材だったから、彼は、口頭による注意で済ましていた。

仕事の内容はいつもすばらしい出来なので、彼女の社内での評価は上がっていた。けれども、遅刻に関しては彼が何度注意しても変わることがなく、ほぼ毎日遅れて来る。社内での高評価をいいことに、そこにあぐらをかいて、直そうとすらしてないように見えたそうだ。