現在、日本では再生エネルギー発電事業者の多くが、「送電線につなげられない」問題に直面している。電力会社が保有する送電線の「空き容量」が足りないためだとされ、再エネ導入にとって最大のネックになっている。だが、空き容量は本当に不足しているのか。全国の基幹送電線の利用状況を分析した安田陽・京都大学大学院特任教授は、現状を「行列のできるガラガラのそば屋」に例える。安田氏に、空き容量問題の本質について聞いた。

やすだ・よう●1994年、横浜国立大学大学院博士課程後期課程修了、工学博士。関西大学准教授などを経て現職。新著に『世界の再生可能エネルギーと電力システム(電力システム編)』。(撮影:尾形文繁)

──送電線問題の分析結果は大きな反響を巻き起こしました。

電力広域的運営推進機関(以下、広域機関)の発表した各電力会社が所有する基幹送電線の利用状況を分析したところ、送電線の空き容量がゼロとされている路線でも、実際には「送電混雑」がない路線の多いことがわかった。送電混雑とは、実際に流れた電力(実潮流)が、安全に流すことができるとされる送電線の容量(運用容量)を一時的にせよ上回った状態を指す。