【今週の眼】太田聰一 慶応義塾大学経済学部教授
おおた・そういち●1964年京都市生まれ。京都大学経済学部卒業、ロンドン大学大学院修了(Ph.D)。名古屋大学大学院経済学研究科教授を経て2005年から現職。専門は労働経済学。著書に『若年者就業の経済学』、共著に『もの造りの技能─自動車産業の職場で』『労働経済学入門』など。(撮影:梅谷秀司)

最近、総務省統計局が労働に関する二つの重要な公的統計の調査結果を報告した。それぞれの調査において、新たな調査項目が加わり、それは日本の女性雇用の問題を異なる角度からあぶり出すものになった。

第1の新機軸は、毎月発表される失業率などを算出するための統計として知られる「労働力調査」において、従来の完全失業者だけでなく、就業者の中でもっと働きたいと考えている者や、現在働いていないが近々働きたいと考えている者などを「未活用労働」として把握して、今年から四半期ごとに発表するというものだ。

これまでも「職探しをしている失業者だけでは、仕事を望んでいる人の全体像を把握できない」といわれてきたが、そうした指摘に対応するものだ。

注目すべき点は、就業者のうちの追加就業希望者の多さだ。その数は、4〜6月期で187万人に達しており、労働力人口の2.7%に相当する。追加就業希望者は、短時間(週35時間未満)就業者の中で、就業時間の追加を希望していて、実際に追加できると回答している者と定義されている。パートで働く女性が労働時間を増やしたり、フルタイム勤務を希望したりするケースが含まれる。