「ネット産業の可能性はまだまだ大きい。既存事業にこだわらない形で、ヤフーの新しい戦略を策定することが必要だ」

年初の社長就任会見で川邊健太郎・ヤフー社長(当時副社長)は、そう明言した。日本のインターネット業界を牽引してきたヤフーは、新経営体制で船出した今期、いきなり「勝負の年」を迎えている。

300億円の費用投下で利益は十年来の低水準に

ヤフーが7月末に発表した今第1四半期(2018年4~6月)は、売上高が2318億円、前年同期比9%増となったのに対し、営業利益は475億円(同8.9%減)に沈んだ。前期あった保険金収入によるカサ上げの影響を除いても営業利益は微減だ。

このことはヤフーにとって想定どおりではある。同社が4月に発表した18年度の業績見通しでは、売上高は前期を上回るものの、営業利益は1300億~1400億円と大幅な減益予想だった。3期連続の営業減益というだけでなく、下限の1300億円で着地すれば、ここ10年で最も低い利益水準となる。

減益予想の最大の要因は、「新たな挑戦への費用」という名目で打ち出す年間300億円規模の先行投資である。まず、広告事業を核とするメディア領域に100億円を投じる。ネット通販(EC)の「Yahoo!ショッピング」、オークションサイトの「ヤフオク!」や、独自クレジットカードなど金融事業を手掛けるコマース領域では、モバイルペイメント(決済)事業の立ち上げに200億円を投じる計画だ。

ヤフーが今、大規模投資に踏み切るのは、これまでの課題についてある程度片が付いたためである。