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内幕3|真如苑 宗教都市化する立川市、勝ち組教団の財力を解剖

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立川駅南口付近は真如苑総本部などの施設が密集するエリア(撮影:大澤 誠)

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聖地「親苑(おやその)」──。

大型商業施設が立ち並び、住宅地で人気の東京都立川市を、真如苑(しんにょえん)の信徒は最大限の敬意を込めてそう呼称する。開祖伊藤真乗が1938年、私財を投じて総本山真澄寺を建立してから、真如苑はここを発祥の地としているのだ。

真如苑は真言宗系の宗教法人である。公称信者数93.1万人、信者数が今日でも減っていない“勝ち組”教団として知られる。

街に点在する施設には、全国各地から信者が訪れる。駅南口付近は、真如苑総本部や真澄寺、二つの修行所、三つの布教会館などの施設が密集する中核エリアである。反対の北側へ、多摩都市モノレールに立川駅から5分ほど乗ると巨大な寺院の屋根が現れる。2006年に完成した地上4階建て延べ床面積2.4万平方メートルの総合道場「応現院(おうげんいん)」だ。

2006年に完成した総合道場「応現院」(撮影:大澤 誠)

さらに北には02年に日産自動車から購入した村山工場跡地がある。現在は「プロジェクト MURAYAMA」と銘打つ再開発計画が進んでいる。まだ何かが建つわけでもなく、ぽっかり空いた広大な更地だが、整地され、ところどころ植樹も始まっている。真如苑が06年に作成した基本計画概要文書によれば、これがやがて明治神宮のような林苑になるという。敷地西側36ヘクタール分を静謐で聖性のある空間に、中央40ヘクタール分を祭事に利用する明るい丘陵広場に、東側13ヘクタール分を隔てのない交流の場とする。「真如苑の信徒だけではなく、誰もが集い、憩える、開かれた空間を目指している」と真如苑は答える。竣工のメドは当初36年だったが、さらに時間がかかるようだ。

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