大川隆法総裁の説法が最も多く行われている東京正心館(東京都港区)(時事)

「東京ドームから全世界に教えを説ける人は今地球上にいるでしょうか! これが、私が存在する、皆様方の前に立っている意味です!」。5万人(主催者発表)の聴衆が埋め尽くす会場に、割れんばかりの拍手が響き渡る。昨年8月2日、22年ぶりに東京ドームで開催された幸福の科学教祖・大川隆法総裁の講演会での一幕だ。出家騒動で注目された女優・清水富美加氏が登場するとあってテレビでも報じられた。

全国至る所で見掛ける、パルテノン神殿風の巨大な白壁の教団施設。国政選挙では毎回多数の立候補者を擁立し続ける。テレビ、新聞、インターネットでは政党や書籍、映画の広告が流される。

やたらと勢いがある巨大教団。幸福の科学に対してそんなイメージを抱く人は少なくないだろう。公称信者数は日本国内約1100万人。事実なら未成年者も含めた全日本人の10人に1人が信者だ。ただ、2017年の衆院選で、政治部門「幸福実現党」の比例代表全国合計の得票数は約29万票にすぎない。

2009年に幸福実現党を結成し、大川総裁も衆院選に立候補している

1981年に大川総裁は自身の口を通じて歴史上の偉人などが語る「霊言」を発表。86年に幸福の科学を立宗した。参加者87人の「座談会」からスタートした教団は、90年末に17万人、91年に200万人と公称信者数を増やし、92年には560万人と称するようになった(『宗教と科学のネオパラダイム─新新宗教を中心として』参照)。当時の内情を元信者のAさんが語る。「幸福の科学は90〜91年の大伝道キャンペーンで一気に信者を増やしました。しかし末端信者の間では、知人の名や学校の卒業アルバム、電話帳にある名前を無断で使って入信届を出す“無承諾伝道”が横行しました」。当時すでに、公称信者数は実態と大きく懸け離れていたというのだ。

信者には手帳サイズの経文『正心法語』が授けられる。09年に大川総裁は『文藝春秋』のインタビューで、公称信者数1100万人は『正心法語』の累計発行部数であると公言している。教団施設の建設にかかわった業者の従業員はこの『正心法語』を「竣工式で渡された」と語る。昨年、幸福の科学をテーマにドキュメンタリー映画を撮影した大学生も、取材の際に渡されたという。いずれも入信届は書いておらず、受け取ると信者になったことを意味するものだとの説明もなかったという。こうしてバラまかれた『正心法語』の数が、「信者数」になる。

11年、大川総裁の当時の妻・きょう子氏が『週刊新潮』で、05年ごろの名簿上の信者は約15万人、カネを出す活動信者は約3万人だったと暴露している。

しかし豊富な資金力は本物だ。幸福の科学では布施や献金を「植福」と呼ぶ。前出の『週刊新潮』できょう子氏は、教団の植福収入は年間300億円だと語った。3万人の活動信者数で割ると、1人当たり年間100万円だ。