イラスト:竹村おひたし

マイナーな教団でも豪華な施設を造れる背景には、宗教法人に与えられる税金面の“特権”がある。その錬金術のカラクリを元国税調査官が解説する。

Q1 宗教法人はどれくらい税金面で優遇されているのか?

宗教法人というのは、非常に税金面で優遇されている。

宗教法人が「宗教活動」(お布施や寄付など)で得たおカネには、原則として税金はかからない。そのため、宗教法人はちょっと信者を集めるだけで莫大な資金を持つことができるのだ。

たとえば1万人の信者が年間1万円ずつ寄付をしたとすると、それだけで1億円になる。しかもその1億円は一般の企業と違い「仕入れ経費」などがないので、1億円がまるまる収益になる。

しかも「宗教活動」の範囲は非常に広い。神社などでお守りやおみくじを売ることも、宗教活動として非課税となっている。

また墓地の販売も非課税となっている。墓地の場合、「販売」とされていても、実は「永代の貸し付け」とされている場合が多いが、それも含めて非課税なのである。

宗教法人は、宗教活動とは別に「収益事業」を行うこともある。収益事業というのは、不動産の貸し付けや駐車場の運営、出版物や文具などの販売事業のことである。

その場合でも税金が優遇されている。宗教法人が収益事業を行っていて、その収益を全部、非収益部門(宗教活動部門)に繰り入れた場合、20%分は損金として除外できる。実際に大半の宗教法人は、収益事業の収益を宗教部門に繰り入れている。だから所得金額(利益)の80%にしか法人税はかからないのが通常なのだ。

また宗教法人の収益事業の法人税率は19%と、普通の企業の法人税率(約23%)よりも低い。

しかも所得が20%控除されているので、実質的な法人税率は約15%(0.8×0.19)である。つまり宗教法人は収益部門からの収益であっても、普通の企業の税金の65%程度でいいことになる。

Q2 なぜ巨大な宗教施設を建てられるのか?