「たいへん楽しく、9年やらせていただいた。ここがいい一区切りだ」──。スナック菓子国内最大手、カルビーの会長兼CEO(最高経営責任者)だった松本晃氏(71)が会見を開き、自身の退任を発表したのは今年3月のこと。経営手腕が高く評価されていたトップの退任に株式市場は動揺し、カルビーの株価は一時10%近くも下落した。

伊藤忠商事でキャリアをスタートさせた松本氏は、米医療機器メーカーのジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)の日本法人社長を務めた後、カルビーの創業家に請われて2009年、同社トップに就任。主力のスナック菓子で国内シェアを大幅に高める一方、シリアルを新たな収益柱に育て、業績を大きく拡大させた。

退任発表後、松本氏の元には20近くの企業から社長就任オファーが殺到したが、その中から選んだのは意外な企業だった。芸能人のダイエット体験CMで有名な、あのRIZAPグループだ。

買収駆使し業容を拡大 急成長の裏に危うさも

同グループは、社長の瀬戸健氏(40)が03年に創業。当初は健康食品や美容機器の通販会社だったが、12年に始めた、専門トレーナーが「結果にコミットする(成果を出すことを約束する)」マンツーマンのダイエットジム(ボディメイク)事業が大当たりし、一躍有名になった。

瀬戸氏はその後、M&A(企業の合併・買収)を駆使して一気に業容を拡大。衣料小売りのジーンズメイトなど異業種の企業を“爆買い”し、12年度に8社だった連結子会社は17年度には75社へと増え、グループ売上高も7倍超の1362億円に拡大した。