物流業界は今、大きな転換点を迎えている。ネット通販(EC)の台頭により、個人の家に届く荷物の量が飛躍的に増えた。その結果、従来のように物流会社が集荷から保管、幹線輸送、そしてラストワンマイルまで荷物の配送を提供するモデルは崩れ始めている。昨年から続いているヤマト運輸による荷物の総量抑制と値上げはその象徴だ。

既存のパラダイムが変わりつつある中、物流業界では新しいイノベーションが生まれている。キーワードとなるのは「IoT(モノのインターネット)」と「シェアリング(共有)」だ。

ラストワンマイルの新しい形が登場

世界最大のEC事業者・米アマゾン。同社は物流倉庫や倉庫内のロボットなどに巨大な投資を行っているが、設備面だけでなくラストワンマイルのイノベーションにも力を入れている。

それが2017年11月から米国の一部で始めたAmazon Key(アマゾンキー)だ。ユーザーは事前に専用のカメラと錠前を購入し、スマートフォンと連係させることでサービスを利用できる。アマゾンキーを使えば配送員が自宅のドアの鍵を開けて荷物を置いてくれるため、利用者は配送業者から確実に荷物を受け取ることができる(ただしアマゾンの有料会員であることが前提)。

専用のカメラと錠前は約200~260ドルで販売されている。同様のサービスは米ウォルマートもテスト的に展開している。IoTの活用によって、配送員の人手不足を解決するのに役立つイノベーションといえるだろう。