8月のASEAN外相会議で米ポンペオ国務長官と中国の王毅外相が会談。両国の溝は埋まらなかった(代表撮影/ロイター/アフロ)

前回の本連載(7月14日号)では、米中貿易戦争で日本が漁夫の利を得るチャンスが広がっているという話をした。

米トランプ政権が中国に科した制裁は、当初、見栄え重視で実効性を度外視したショーと見られていた。だが、ここに中国・通信機器大手の中興通訊(ZTE)の問題が重なり、中国は窮地に立たされたのである。

米国が優位な基幹技術の蛇口を一つ閉めただけで、次世代の通信技術を担う中国の国有大企業がたちまち干上がってしまう現実がさらされてしまったのだから、中国の焦りはひとしおだ。

米国の制裁に対し、中国も相応の対抗措置を打ち出しているが、その裏で早期の妥結を望んでいることは間違いない。

米国の強気な態度に、日本国内では早くも「レーガン時代にソ連を崩壊に導いたシナリオ」を声高に叫ぶ識者が現れている。ただ、それは気が早すぎるといわざるをえない。

あらためていうまでもないことだが、冷戦期の米ソ関係と、グローバル経済の浸透した現在の米中関係を単純に比較できはしないからだ。