先日、北京から東京に遊びに来た中国人から、「ランチどきに食堂でご飯を食べていたら、突然隣の男性がたばこを吸い始めて、本当にびっくりしたよ」と告げられた。そして「2020年にオリンピックを開催する都市が禁煙もできないなんて、日本はどうなっているんだ」と説明を求められた。

彼の言い分はよくわかる。10年前、北京でオリンピックが開かれた際、北京市内の飲食店は完全に禁煙になった。正直、当の中国人も当然、在北京の外国人も「中国で禁煙などできるわけがない」と思っていたのだが、ものの見事にたばこが吸えなくなってしまった。

同時にオフィスビルなども禁煙となり、愛煙家が吸い場所を探し歩くさまは気の毒なほどだった。男性のほとんどが喫煙していた中国だが、今では禁煙者がそうとう増えていると聞く。22年の冬のオリンピックの誘致にも成功し、愛煙家の肩身はさらに狭くなる。

もちろん中国は事実上の一党独裁国家であり、当局の強権が発動された結果である、ともいえる。ただ、次のロンドン、直近のリオデジャネイロでも全面的な禁煙が実施されたことを考えれば、国際社会が求める受動喫煙防止対策を受け入れることが、オリンピックを開催する一つの条件である、とも考えられる。日本政府はその点理解しているだろうか。