物流改革は「やりたいことというより、やらなければならないこと」と訴えた三木谷浩史会長(撮影:大澤 誠)

「私から言わせると、何やっているの、ヤマト、日本郵政と。正直そう思うが、新しい取り組みに挑戦しなければ、楽天グループ、店舗様の将来がない」

今年1月に楽天が開催した、ネット通販(EC)「楽天市場」の出店者向け戦略共有会。同社の三木谷浩史会長兼社長は講演の冒頭、数千人規模の参加者を前に大手配送会社に対するいらだちを隠さなかった。

楽天市場のビジネスモデルは、店舗に場所貸しを行うモール型が基本だ。自社で商品を仕入れて保管から出荷まで手掛ける直販事業が中心のアマゾンと違い、楽天は一連の作業を店舗に任せている。「ヤマトショック」による物流費高騰は、約4.6万の店舗が直接打撃を受けており、楽天市場における戦略の根幹にかかわる問題になっている。

「経営が成り立たないほど利益が圧迫されている」(自然派食品店の担当者)、「年がら年中、配送会社との価格交渉が続いている。送料無料などの販売施策を見直さなければならない状況」(雑貨店の担当者)。三木谷氏の元にこうした悲痛な声が寄せられたことが、冒頭の発言につながったようだ。

店舗から物流支援の要求が高まっている

この危機的状況を打開すべく、楽天は7月、大手配送会社に頼らず自社が主導して構築する独自の物流網「ワンデリバリー」構想を本格化させると発表した。同構想は、楽天市場の出店店舗を対象に商品の保管から配送(ラストワンマイル)まで、楽天が一気通貫で支援するサービスだ。