住民税の流出が多い世田谷区や杉並区は、ポスターで区民に訴える

受け入れ総額は前年度比28%増の3653億円──。2017年度もふるさと納税の利用額が増加した。伸び率は鈍化したものの、受け入れ額は過去最高。受け入れ額上位には、全国の名産が選べる大阪府の泉佐野市や、ウナギや宮崎牛がもらえる宮崎県の都農(つの)町など、「返礼品」が魅力的な自治体が並んだ。

その裏で、深刻な問題も起こっている。住民税の流出という問題だ。

ふるさと納税の寄付者は自己負担額2000円を超える分が所得税、住民税から控除される。そのため寄付者が居住する自治体では、本来入るはずの住民税が失われることになる。

ただ失われる住民税のうち75%は、地方交付税交付金を増額して国から補塡される仕組みになっている。

7月27日に総務省が公表した統計資料によれば、17年度に最も住民税控除額が大きかった市区町村は横浜市。以下、名古屋市、大阪市など大都市が並ぶ。

だが、これは実態を正確に表していない面がある。交付税による補塡を考慮していないからだ。横浜市をはじめ多くの自治体が補塡を受ける一方、独自の税収で財政運営ができる東京23区や川崎市などはそもそも交付税を受けておらず、ふるさと納税でも補塡がない。