内閣不信任決議案の趣旨弁明をする立憲民主党の枝野幸男代表(手前)を見る安倍晋三首相(7月20日)(時事)

日本の議会政治の劣化を見せつけた通常国会が終わり、政治関係者の関心は9月の自民党総裁選挙に向かっている。

後述するように、政治批判が広い共感を得がたい時代ではあるが、そうは言っても安倍晋三政権の犯罪的所業と自民党の荒廃について、私はしつこく批判し続けたい。

財務省の人事異動では、文書改ざんにかかわって処分された人々が何事もなかったかのごとく事務次官や主計局長に昇進した。国民をなめた人事である。財務官僚は信頼回復や文書管理の改革を訴えたが、むなしいばかりである。行政に対する信頼回復のためには、森友疑惑の真相究明が不可欠であり、そこを無視した改革案など自己満足にすぎない。

自民党の杉田水脈(みお)衆議院議員が雑誌で、LGBTの人々は子どもを産まないという意味で生産性が低く、それゆえ政策的な支援は不必要と述べて批判を集めている。私は、杉田議員がこの種の差別発言をしても驚かない。問題は、彼女のこのような差別主義的思想を承知のうえで比例単独候補に引き立て、国会議員にし、暴言があってもとがめない自民党にある。

人間の生き方はいろいろあるべきだ。しかし、いろいろな生き方を否定し、特定の生き方を他人に押し付けるような人物には、民主政治における居場所を与えてはならない。今の自民党に蔓延しているのは、人間の尊厳を否定する差別主義をも一つの考え方として許容する、底知れぬシニシズムである。