三方が海に面するサンフランシスコ。地価高騰で、高層ビルの建設が加速している(アフロ)

私が住むサンフランシスコは、つねに世界都市ランキングの上位に入るほどの人気だ。ビクトリア様式の美しい家々にゴールデンゲートブリッジのような名所がそろい、テクノロジー企業からファッション、文化まですべてが革新性と活気にあふれる。

リベラルな都市であることも多くの人にとって魅力に映る。ここでは誰もが「ゲイ・プライド月間」を祝い、性的少数派だけでなく肩身の狭い思いをしたことのあるすべての人を引き付ける。6月に初の黒人女性市長が誕生したことは、市民の誇りである。

だがサンフランシスコのベイエリアから出ていく人はここ10年、かつてないほど増えている。ベイエリアの外側へ引っ越す人があまりにも多いため、引っ越し用トラックのレンタル企業「Uホール」が車両調達に苦労していると、CBSテレビの地方系列局が報じたほどだ。ある地域経済団体の調査では、住民の46%が数年以内にベイエリア外への引っ越しを予定していると回答。2年前の34%から大幅に比率が上昇した。

このショッキングな事実は米国中で話題になったが、地元の人は驚かなかった。ここ10年物価は上がり続け、生活にますますおカネがかかる。サンフランシスコは、縦7マイル(11キロメートル強)×横7マイルの小さな街で、三方が海に面している。シリコンバレー企業のすさまじい成長で、拡張の余地がない都市に資金と人がなだれ込み、地価は上がる一方だ。