たかい・ひろゆき●神戸大学経営学部卒業、住友商事入社。非鉄金属本部で17年間、うち7年間は英国ロンドンで貴金属や、銅・アルミなどベースメタルの取引を担当。その後、金融事業本部長やエネルギー本部長を経て、住友商事グローバルリサーチ社長。2018年4月から現職。(撮影:梅谷秀司)

銅相場が急落している。6月初旬に年初来高値となる1トン当たり7350ドルをつけてから一時はフシ目の6000ドルを割り込んだ。7月23日に中国が緊急景気刺激策を発表したことで反転したものの、地合いは弱い。

急落しているのは銅だけではない。亜鉛、鉛、アルミニウムなど産業用メタルや、金、銀など貴金属も総崩れ状態だ。亜鉛などは、高値からの下げ幅が弱気相場の目安となる2割を大きく超えており、単なる水準調整では片付けられない。メタル相場に限れば「5月に売り逃げろ」の格言が今年ほど当てはまる年はなさそうだ。

産業用メタルは米国の対ロ追加制裁やチリ銅鉱山の労使交渉、中国の環境規制強化といった供給側要因に加え、米国を中心とする主要国の堅調な経済という需要側要因を背景に、底堅い値動きを続けていた。それが一変して急落に転じたのには訳がある。