伊丹潤氏の建築「水の美術館」。水面に映る空の色により、微妙に様相が変わる

旅先では極力歩くことにしている。費用の節約になるし、現地の空気を直接肌で感じたいからだ。

2018年6月の済州(チェジュ)島1泊2日の旅でも、夕暮れの中、バス停から宿泊先のマリオットホテルまでの2.7キロメートルを歩くことにした。

ホテルへとのびる幅広い道の左右では、不規則に積み上げられた石垣が畑を囲っている。

済州島には「三多」という言葉がある。この島は「風、石、女」が多いという意味だ。島の中央にある韓国最高峰の漢拏山(ハルラサン)から噴出した溶岩が冷えてできた黒い火山岩で、島中が覆われている。あり余る石を使って、島に吹きつける風から畑を守っているのだ。

同じく風の強いアイルランドでも、こうした石垣がそこかしこにあった。遠く離れていても人の考えはさほど変わらないようだ。