豪州で日本企業による大規模な天然ガス生産がまもなく始まる。石油・ガス開発を専業とする国際石油開発帝石(INPEX)が社運を懸けて進める「イクシスLNGプロジェクト」だ。8月中に生産を開始し、9月には日本に向けた第1陣のLNGタンカーが現地を出航する見通しだ。

日本は都市ガスや火力発電の燃料を天然ガスに依存しており、消費量は世界で5番目に多い。しかし、産ガス国とパイプラインで結ばれていないため、気体のときよりも体積が小さく海上輸送に適したLNG(液化天然ガス)にして輸入している。これまでその生産・加工を担っていたのは欧米の石油メジャーや産出国の国営企業だった。今回のイクシスは、日本の石油開発会社による初の大規模LNGプロジェクトである。

総事業は4兆円以上 大半を日本に供給

総投資額は400億ドル(4.4兆円)にも上り、日本企業による資源・エネルギー開発としては過去最大。内容も壮大だ。西豪州の沖合200キロメートルの位置にあるイクシスガス田で天然ガスを生産。それを海底に敷設した全長890キロメートルものパイプラインで豪大陸北端の陸上基地まで移送し、液化プラントでLNGにする。

生産規模も大きく、日本の年間輸入量の1割強に相当する890万トンのLNGを20年以上にわたって生産する。長期契約を結んだ買い手にはJERA(東京電力と中部電力の火力合弁)や東京ガス、関西電力など国内の電力・ガス会社がズラリと並ぶ。台湾などにも供給されるが、生産したLNGの約7割が日本の買い主向けだ。