金融庁は7月に公表した地方銀行に対する有価証券運用モニタリングの中で、「経営体力やリスクコントロール能力と比較して有価証券運用でのリスクテイクが過大な地域銀行が少なからず存在する」と指摘した。長引く低金利や資金需要の低迷が地銀経営を圧迫し、運用部門には過大な圧力がかかる。地銀経営に詳しい小栗直登氏に聞いた。

おぐり・なおと●1981年静岡銀行入行、市場運用が長く2005年資金証券部長。スパークス・アセット・マネジメントを経て16年に「和(なごみ)キャピタル」を設立、地銀向けに投資助言などを行う。(撮影:吉濱篤志)

──地銀の有価証券運用の実態をどう見ていますか。

私は「なし崩し運用」と呼んでいる。過剰流動性の中で運用先に困っている。日本国債の利回りが低いので、米国債を買い、株の運用も増やしている。それでも(求めているリターンが)足りないので、資金がクレジットもの(社債など)や仕組み金融など(よりリスクの高い運用先)へ流れている。日本銀行に資金を預けておくとマイナス金利になるので、10年物日本国債を買っている。0.03〜0.05%程度のプラスになるが、円債の金利リスクを考えれば、リスクとリターンは見合っていない。

──地銀の運用は「素人運用」と批判されたりもします。