東海第二原発の原子炉建屋は海抜8メートル。20メートルの防潮堤を建てるが、津波が越える可能性も

首都圏唯一の原子力発電所の再稼働問題が波紋を広げている。

東京電力ホールディングスなど電力各社が出資する原発専業の日本原子力発電。原子力規制委員会は7月4日、同社が保有する東海第二原発(茨城県東海村)の安全審査において、再稼働の前提となる「原子炉設置変更許可申請書に関する審査書案」を取りまとめた。一般からの意見公募を経て、正式に“合格”を出す。東日本大震災で大事故を起こした福島第一原発と同じ「沸騰水型」の原発としては、東電の柏崎刈羽原発に続く2例目となる。

だが、審査の過程では紆余曲折が相次いだ。大地震時の津波によって敷地が浸水し、冷却不能から炉心損傷に至るリスクが指摘され、審査の大きな論点になった。原子炉建屋の海面からの高さが、福島第一原発より2メートルも低いためだ。

日本原電は高さ20メートルの防潮堤を建設する一方、重要設備の浸水防止や何重もの冷却方式の導入などさまざまな対策を講じることで、審査をかろうじてクリアした。

また、総延長約1400キロメートルに及ぶ可燃性の電気ケーブルは、すべての取り替えは困難なことから、安全機能を有する機器に使われているケーブルの約5割については防火シートでくるむ方法の採用が認められた。