東京のある鳥貴族の店舗では、かつて看板に掲げていた価格表示がなくなっていた

低価格の均一料金を武器に支持を集めてきた、焼き鳥居酒屋チェーンの鳥貴族。積極出店で成長を続けてきた同社が、苦しい状況に立たされている。

7月上旬に2018年7月期の業績予想を下方修正。営業利益は15億円(前期比3.4%増)と、従来予想から8.5億円減額した。原因は昨秋実施した値上げだ。

鳥貴族は、ビール仕入れ価格や人件費の上昇を理由に、商品を一律280円から298円に引き上げた(いずれも税抜き)。その結果、家族客や40代以上の客を中心に来店が減少。既存店の客数は昨年11月を除いて今年6月まで前年同月比マイナスが続く。特に5、6月は共に11.4%減と大幅減となった。会社側は値上げによって今期の既存店売上高が前期比4%増になると見込んでいたが、6月までの11カ月累計実績は3%減となった。

ある飲食チェーンの幹部は「好調だった鳥貴族が値上げで苦戦しているとなれば、簡単に値上げに踏み切れなくなる」と吐露する。

労働集約型産業である外食業界では、パート・アルバイトの人件費上昇が強い逆風となっている。02年に708円だった東京都の最低時給は、昨年10月に958円になった。加えて、人手不足に伴う求人コストもかさんでいる。