多くの人が行き交う渋谷センター街の中心部に、ひときわ目を引く鮮やかな緑色の建物がある。看板には緑色の背景色に白色で「mineo(マイネオ)」の文字。MVNO(仮想移動体通信事業者)を展開するケイ・オプティコムが2017年2月に関東地方で初めて開いた実店舗だ。店内にはカフェも併設され、外壁に掲げられたスイーツのメニューが、若者を店へと誘う。顧客に関心を持ってもらうための仕掛けだ。

ほかの多くのMVNOと同様、ウェブ申し込みが中心だったマイネオ。この一等地に構えた店は、まもなくオープンから1年半になる。賃借料はバカにならない。が、ケイ・オプティコムの担当者は「認知度を上げて、携帯電話会社を選ぶときの選択肢に入らないといけない。土俵に上がらないと勝負にならない」と話す。高額の賃借料も必要経費との認識だ。

同社は、テレビCMも積極的に流している。果敢な販促も奏功し、マイネオの回線契約者数は今年4月に100万人を突破した。1年前と比べ、約1.5倍だ。それでも担当者は「決して楽観できるような状況ではない」とこぼす。

いったい、どういうことなのか。

マイネオに限らず、MVNOの市場自体は高成長が続く。総務省の調べでは、17年12月末の移動系通信(主に携帯電話)のMVNOの契約数は1764万件で、前年から2割近く増えた。移動系通信の総契約数(1億7098万件)に占める割合は10.3%で、前年から1.3ポイント上昇。この数年は順調に伸びており、今後もまだ市場には成長余地がありそうなのだ。

MVNOとは?

通信網を持つキャリア(MNO)から規定の接続料で回線を借りる事業者。ワイモバイルはソフトバンクのサブブランドでMVNOではない。UQモバイルはKDDIに接続料を払っており形式はMVNOだが、戦略上はKDDIのサブブランド的な位置付け。