股関節周囲炎と診断され、右足を引きずりながら官邸に入る安倍晋三首相(7月14日)(時事)

安倍晋三首相の2期目の自民党総裁任期が9月25日に満了する。総裁選は9月20日実施が有力だ。自民党は続投に意欲を示す首相の意を酌んで、2017年3月に党則を改定し、連続3期9年の総裁在任を認めた。国民の間には「長期政権の弊害」「賞味期限切れ」といった声も小さくはないが、安倍首相は中央突破の強気作戦で乗り切る方針である。

3選を目指す以上、3期目の安倍政権は達成目標を内外に明示する必要がある。「新しい国づくり」を唱える首相は、今年6月15日に閣議決定した「骨太の方針(経済財政運営と改革の基本方針2018)」で、「少子高齢化の克服による持続的な成長経路の実現」と銘打ってプランを列挙した。

だが、3選挑戦の最大の狙いはそこではない。3選可の党則改定を認めた17年の自民党大会で、安倍首相は「憲法改正こそ自民党の歴史的使命」と強調した。「在任中の改憲実現が悲願」といわれる首相は当然、3期目がラストチャンスと意識しているはずだ。

現在、「改憲4党」と呼ばれる自民党、公明党、日本維新の会、希望の党の合計議席数は衆議院326、参議院165で(議長を含む)、両院とも改憲案の発議に必要な総議員の3分の2(衆議院310、参議院162)に届いているが、参議院ではわずか3議席しか超えていない。19年夏の次期参院選で4党の合計議席が3以上の減となれば、改憲挑戦は極めて困難となる。首相は、次の参院選までの向こう1年間が挑戦の唯一の機会と考えているに違いない。

相手は分裂状態の弱体野党だから参院選での負けはない、と見る人もいるが、自民党には心配の種がある。12年に一度、4月の統一地方選と同じ年に行われる参院選では、自民党は苦戦続きだ。来年はその「亥年(いどし)の凶」に当たる。