中国共産党が6月に開いた「中央外事工作会議」は外交政策に関する最重要会議だ。2012年に習近平氏が最高指導者になってから2度目の開催となるこの会議には、特別な重みがある。

14年の前回会議では、鄧小平氏の「韜光養晦(とうこうようかい)」(才能を隠し好機を待つ、という外交方針)が葬られ、行動の時代が到来したと告げられた。以来、中国は南シナ海で軍事プレゼンスを拡大。その一方で「一帯一路」の広域経済圏構想を掲げ、ユーラシア大陸のほぼ全域から、アフリカ、その他地域に至るまで73カ国へとウイングを伸ばしてきた。

さらに、米国を軸とする戦後の国際経済秩序、ブレトン・ウッズ体制に基づかない新たな国際開発金融枠組み「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」を創設し、先進国の大半を加盟させることにも成功。中国海軍はアフリカのジブチ、スリランカ、パキスタンに基地を置き、地中海やバルト海にまで出張ってロシアと合同軍事演習を行うようになっている。

14年の工作会議を境にして起きた変化とは、このような首尾一貫した大戦略が姿を現したことだけではない。習国家主席は共産党の支配力を未曾有のレベルに拡大。専門家による実務的な政策決定を排し、政治的なイデオロギーを前面に打ち出すようになっている。自由な民主主義社会が勝利し、「歴史の終わり」が訪れるとしたフランシス・フクヤマ氏の歴史理論に真っ向から対決を挑み、レーニン主義的な一党独裁を本気で維持していくつもりなのだ。