退役軍人の怒りは中央政府にも向いている。写真は2017年2月に北京市で抗議活動を行う退役軍人ら(読売新聞/アフロ)

2018年に入って、中国人民解放軍の退役軍人による抗議活動が、中国各地で頻発している。

今年5~6月に、江蘇省鎮江市、河南省漯河市、四川省中江県など複数の都市で、それぞれ数百名の退役軍人が抗議活動を行った。彼らは、各地方政府庁舎の前などに集まり、退役後の待遇が悪く、就職状況が思わしくないうえ、福利厚生費が不足していることなどを訴えたのである。

しかし、退役軍人たちが抗議活動を展開したのは、単に待遇改善のためだけではないようだ。その背景には、地方政府の甚だしい腐敗があるという。自分たちの私腹を肥やすことに懸命な地方政府の役人たちは、退役軍人の手当、就職や福利厚生にまで手が回らない。それが退役軍人の待遇を悪化させる原因になっているというのだ。

さらに、地方政府の退役軍人への暴力的な対応が、抗議活動の引き金にもなっている。待遇の改善を地方政府に訴えに行った退役軍人やその家族を殴打したり拘束したりしているのだ。

中国政府の退役軍人たちに対する賛美と、退役軍人たちが実際に直面する現実との間には、大きな乖離があり、そのことに退役軍人たちが抗議の声を上げ始めたのだともいえる。

軍人のネットワークが国内の不満を拡散