もう旧聞に属する話かもしれない。応仁の乱がブームなんだそうである。世事に疎いせいか、歴史が専門なのに知らないのか、といわれたこともあった。

「応仁の乱」をタイトルとする新書が、ベストセラーになったことは知っている。そもそも歴史学ということで同業だし、同じ新書を出した身なのだから、知らずにいられるはずもない。

もちろん羨(うらや)ましい。多額の印税収入もさることながら、それだけ広く読んでもらえることが、何より書き手の冥利につきる。

しかしそれで「ブーム」だといわれても、アジア史の研究をやっている当方に、とんと実感は湧かない。興味ももてなかった。疎いと感じ、知らないといわれたゆえんである。しかし理由がないわけではない。