7月5日、第32次地方制度調査会の第1回総会であいさつする野田聖子総務相(右)(時事)

7月3日、総務省の「自治体戦略2040構想研究会」の『第二次報告』が総務相の手に渡った。2040年に高齢者人口がピークを迎えるという予測に対し、どのような策を講じることができるか検討したものである。

ここでは、①高齢者への行政サービスが不足するという点だけでなく、②若年人口がピークの半数程度となり、新卒学生の採用が困難となる中、地方自治体の人手不足が深刻化するという点を「危機」ととらえている。

メディアの注目を集め、ネット上でもさまざまに論評されているが、①との関係で、自治体の区域を越えた「圏域マネジメント」の制度改革について論じるものがほとんどである。対して、②の点での改革構想に当たる、AI(人工知能)などの破壊的技術を用いた「スマート自治体」の実現は、あまり注目されていない。

もちろん、今後の制度改革は地方制度調査会での検討に移ることが予定されており、そこでの改革課題が圏域マネジメントの法制化であることは容易に想像できる。そのため、ここに注目が集まるのは、当面の改革を重視する新聞紙面上では当然のことであろう。

だが、自治体の人手不足は、すでに警官や教員の採用が難しくなりつつある地域がある点で、もはや20年後の問題ではない。これからじわじわと各地で顕在化し始める問題なのである。

人手不足は自治体に限らない。民間企業も深刻な事態に直面するのは明らかだ。