こばやし・かずとし●1962年生まれ。慶応義塾大学を卒業後、86年にコーセー入社。マーケティング本部長などを経て、2007年から現職。創業者・小林孝三郎氏の孫。(撮影:今井康一)

東京五輪後も勢いは続く 増産に向け新工場建設も

東京五輪が開催される2020年以降はインバウンド(訪日外国人客)が減るという声も耳にするが、そうは思わない。日本製の化粧品を買う人が急激に減っていくことはないと考えている。

中国が関税を引き下げたほか、化粧品メーカーも越境EC(ネット通販)を通じて正規品販売に取り組もうとしている。転売目的の人は徐々に減っていくだろう。

インバウンドを見ていると、かつてはドラッグストアで中価格帯のスキンケア製品が爆買いされていたが、今は百貨店の高価格帯にシフトしている。化粧品の場合、品質がよい物を一度使うとなかなかレベルを落とすことができない。よい物を使ってもらうことで、家族や友人のためにお土産として買われるケースもある。リピーターが増えていることもあり、勢いは当面続きそうだ。

──購買意欲が強い中国人に対しては、帰国時にも購入してもらうために、現地の空港免税店の売り場強化に力を入れています。

中国では上海と北京の空港ターミナルをほぼ2倍に拡張する計画がある。足元では9000万人規模の人々が上海や北京の空港を使って渡航しており、利用者は今後一段と増えるだろう。中国の空港免税店は、化粧品の売上比率が7割近い店舗も出てきていてすごく魅力的だ。免税事業において、われわれは後発なので伸びしろがあると考えている。