世界で戦うには「オーナーの気概」が必要だ 第4回 カリスマ経営者、最後の難題

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井上礼之ダイキン工業会長が考える経営者の「引き際」とは(撮影:今井康一)

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社長、会長として19年間君臨し、ダイキン工業をグローバル優良企業に育て上げた井上礼之会長は間違いなく日本のカリスマ経営者の一人だ。

しかし、もともとエリート街道を走ってきたわけではない。まともに就職活動もせず、大阪金属工業(現ダイキン工業)に就職したのは父親のコネ。新人時代には10日間も無断欠勤したこともある。後に仕事に目覚め、人事・総務畑で順調に出世していく。それでも主力の空調事業の経験はなく、1994年の社長就任は11人抜きだった。

一介のサラリーマンがいかにしてカリスマ経営者となったのか。そして、カリスマ経営者に共通する最大の課題である、引き際をどう考えるのか。

私はダイキンの4代目の社長に当たる。前任の社長(山田稔氏)は創業一族の長男だったが、会長になって11カ月で亡くなってしまった。ダイキンに勤めていた(前任社長の)弟さんも同じ年に死んでしまった。その後、創業一族は株も売ってしまい誰もいなくなった。

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