就任以降顕著な成果を出せていないウェバー社長の大勝負は、OBに受け入れられるか(撮影:風間仁一郎)

「長い歴史と前向きな価値観を持つ会社の象徴となる」

7月2日、東京・日本橋にそびえ立つ武田薬品工業の新本社開所式で、クリストフ・ウェバー社長は誇らしげに語った。総工費660億円、地上24階建てのビルをお披露目する高揚感だけではない。余裕の表情の裏には、6月28日に開催した定時株主総会を無事乗り切ったことがある。

武田は5月、国内のM&A史上最高額となる6.8兆円でアイルランドの製薬大手・シャイアーを買収すると発表した。この買収に対し、創業家の一部やOB、株主など約130名で構成される「武田薬品の将来を考える会」は、財務の悪化リスクを懸念し反対を表明。1兆円以上のM&Aには株主総会での事前承認を必要とする旨の定款変更を、株主提案として提出した。

武田とシャイアーは買収で基本合意したものの、実現するためには、年末から来年前半にかけて双方が臨時株主総会を開き、シャイアーでは4分の3以上、武田では3分の2以上の株主の賛成を取り付ける必要がある。この定時総会はその前哨戦と目され、いやが応でも注目度が高まっていた。